安全靴の基本的な考え方は、働く人の足を保護し危険を避けることです。更には、疲労を軽減させ、快適性を促進させることも広義の安全性を高めることにつながります。安全性を高めることは労働災害の低減を推し進め、生産性の向上にもつながっていくものです。いい安全靴は医学的な見地からもさまざまな工夫がなされ、足の疲労軽減・快適性を追及した設計がされています。
例を挙げると靴内部に、緻密に計算されたアーチクッションを設け疲労を最小限にするクッションの存在があります。また中敷であるインソールも吸湿性に富みながらもベタつかない素材が使われ、常時快適性を保ちます。踵の部位にも衝撃吸収性に優れた材料を何層にも使い、歩行時の衝撃を大幅にやわらげ、疲労の蓄積を防いでくれます。防寒仕様の安全靴は寒冷地でも求められます。
上記の疲労低減・快適性に加えて、寒冷地においての作業時でも足裏・指・甲などが冷たい雰囲気に晒されにくくするような工夫があります。つま先の先芯は幅広いワイド樹脂を装備し軽量かつ、つま先が冷えにくい構造になっています。足の甲部はベロとアッパーが一体化となるような縫合を施し、履き口のすきまがゼロとなることで靴内部への雪や水の浸入をガードするようになっています。更には靴自体を防水構造とし、ある一定の時間なら水が溜まったところで作業を行ったとしても浸水がありません。
不快な作業環境となる水の浸入は快適性を損なうだけでなく防寒性も損ない、血液循環に悪影響を及ぼし、結果労働災害につながりかねません。このような防寒仕様の安全靴は靴底にも工夫があり、圧雪上でも歩きやすくなっている雪上用ソールとなっていることが多いです。防寒仕様の安全靴は、靴内部の通気が不十分であることも多く、これは履き続けないと分らないことも多いと多いものです。使用経験者の評判や口コミなどを十分に参考にし選定したいものです。